2025年度第9回IMS栄養学会
演題Q&A
A1-1「外来栄養指導件数増加に向けた取り組み 外来透析室での介入開始に伴う取り組みや効果について」春日部中央総合病院 柴田壮太 様への質問
一つ目に、透析カンファレンスを開始したとありましたが、どのような内容なのか知りたいです。
二つ目に、カンファレンス内で食事療法が必要な患者に対する情報共有を行ったとありましたが、患者ピックアップは管理栄養士が行ったのか、また情報共有をしたことで他職種に何かいい影響が生まれたものがあれば知りたいです。
発表者からの回答
ご質問ありがとうございます。
元々開催されていたカンファレンスに参加を始めました。
透析カンファレンスの内容ですが、医師・看護師・臨床工学技士・理学療法士・管理栄養士が参加して週に1回行っております。週ごとに月・水・金/火・木・土の患者様を見ています。看護師さんが患者さんの名前を読み上げて、先生から問題点の指摘をしていただいて栄養に関係している場合は栄養指導介入という流れを取っています。
カンファレンスでの情報共有による多職種との影響ですが、自分が栄養指導を生活指導と割り切って行っているので、細かい生活習慣を聞き取り、カンファレンスで共有することでその患者さんに対して現実的な生活習慣の改善が見込めるかなどを共有する事が出来ました。また、腎臓リハ介入を行っているので介入している患者さんにはリハさんから栄養強化の依頼を受けたり、自宅での活動量が足りていない患者様には腎リハの依頼をしたりと実際の活動量をベースに食事量の管理などをすることができるようになったと感じます。
素晴らしい発表でした。ありがとうございました。ひとつ質問なのですが、透析患者様の栄養評価ツールは何を使っていますか?栄養指導介入の基準があれば教えて下さい。例えば、透析患者様の低栄養評価にはGNRIの基準値◯◯を使う、カリウム値◯◯以上、リン値◯◯以上など決めていることがあれば教えてください。
発表者からの回答
ご質問ありがとうございます。
当院の透析室は元々栄養指導の介入を行っていなかったこともあり、患者さんに対しての基本の栄養教育なども済んでいないので
①透析の経過からDWが低下している方
②DWの増加(3%↑/5%↑)
③K(5.0↑)P(4.5↑)など
を基に今までの経過や服薬状況などを基に介入判断をしております。(①から優先しております)
入院透析患者様にはMNA-SFからGRIM基準を用いて栄養評価を行っております。
今後ですが、担当として外来透析室に管理栄養士を配置する予定はないため、厳格な基準を設けての介入などは現状では考えておりません。
A1-2「不要な栄養補助食品をなくそう!! ~他職種と協力して取り組んでいくためには~」板橋中央総合病院 久保直人 様への質問
MCTオイルを使用した粥の導入、とありましたがそれにかかるコスト等で考えたことがあればお聞きしたいです。
発表者からの回答
ご質問ありがとうございます。MCTオイル入りの粥の導入を行うと栄養量やたんぱく質量が増加しているため献立ONSを外せるようになっているので、利益が確保されるようになります。
栄養科内のみの運用か、他職種へも共有しましたか。看護師等が添加した場合、添加理由を管理栄養士が把握出来ていたか教えて下さい。
発表者からの回答
ご質問ありがとうございます。ONSフローチャートの運用は栄養科のみの対応でした。管理栄養士次第では確認している人もいたかもしれませんが、添加理由等の詳細は把握されていません。
素晴らしい発表でした。ありがとうございました。質問なのですが、廃棄金額が上がったとのことですが、そもそも商品の価格が値上がりしたということはありませんか?献立上添加されている補助食品も含みますが?(たとえば嚥下食のCP-10や茶碗蒸しなど)
発表者からの回答
ご質問ありがとうございます。今回の調査では単価の値上げに関する点などを十分に考慮できておりませんでした。そのためその点についての検証もできていませんでした。次回はこの内容も含めて調査を実施してまいります。
A1-3「特別食加算算定率増加に向けた取り組みと実績」高島平中央総合病院 須田ななみ 様への質問
素晴らしい発表でした。ありがとうございました。質問にもあった内容なのですが、再度教えていただけますか?嚥下食の特別食について、特に献立調整等はしていなかったとの回答だったことについて、カロリーコントロールやタンパクコントロール食では調整が必要かと思うのですが工夫された点や苦労された点があれば教えていただけますか。
発表者からの回答
ご質問ありがとうございます。
①エネルギーコントロール食の ペースト食、ソフト食について、まず配信された基準献立の副菜のエネルギー量を算出。次に当院の院内約束食事箋に準じたエネルギー量に換算し、ペースト粥量を算出しました。この場合、塩分コントロール食に該当する場合、食塩相当量が日々6g未満であることを確認しました。これらより献立調整は主食量の変更のみであり、システムの調整では主食量の変更を実施。院内約束食事箋の変更となりました。
なお、軟菜食はもともとエネルギーコントロール食がありましたが、医師の要望もあり、食塩相当量のみ調整しエネルギー塩分コントロール軟菜食を新設しています。
②たんぱく質コントロール食(低たんぱく質と捉えます)においては、今回の発表内容の取り組みには該当しておりません。
補足ですが、当院ではたんぱくコントロールソフト食がもともと食種としてあります。こちらはソフト食をマルハニチロの弁当を取り入れる際に栄養価を再計算し、腎臓内科医師に確認の上、院内約束食事箋の栄養価を更新した経緯があります。基本的な考え方として、ソフト食の食事形態を選択しなければならない患者様の全身状態を想定したときに、栄養価を下げるよりも高める取り組みが求められることが多いため、たんぱく質を下げる食種の必要性は当院において高くはないと考えております。
A1-4「病棟特性に合わせた管理栄養士の適正配置」イムス富士見総合病院 西澤明日香 様への質問
年次により業務時間の差があるのは当然であり、標準時間がわかったのはとても良い取り組みだと感じた。必要人数を確保できないこともあると思うため、それぞれの業務時間短縮や業務効率を上げるという取り組みをしているか、またしているのであればどのような取り組みをしたか教えてほしい。
発表者からの回答
業務時間の短縮や効率を改善させるために、当院では電子カルテ内のワークフローという機能を用い再評価患者や栄養指導対象者を抽出し、すぐに把握できるようにしています。
他にも、当院では各病棟1台ずつスマホを導入しており、他職種との情報共有や医師への許可取りには、スマホ内のチャット機能を活用しているため相手の都合に影響されずに業務を行えています。その結果、病棟に常駐できる時間も徐々に増えており、相談しやすい環境が整備されつつあります。
また、ミーティングで時間に余裕のある人が明確になっているため、不足している病棟の栄養管理業務のフォローに入るようにして業務を担っています。
A2-2「リハビリテーション・栄養・口腔連携加算の取り組み ~新人からチーム医療に踏み込む第一歩~」イムス東京葛飾総合病院 野崎恵 様への質問
1病棟の管理栄養士担当者は何人いるか。担当者不在時はどのように48時間を守るべくフォロー体制を組んでいるのか教えてほしい。
発表者からの回答
1病棟1名です。
専任不在時でも対応できるようマニュアルの作成と科内で勉強会を行い、2年目以上の管理栄養士が実施できる体制を整えています。
現在は他の業務との兼ね合いもあり、人員確保が難しい為、あらかじめシフトを確認し、口頭にて実施依頼しています。今後はポジションを設け、作業動線内に組み込みたいと思っています。
また病棟クラークより、評価表・計画書の入力依頼があった場合は、電話を受けた者が入力し、専任へ口頭もしくはメモをするようにしています。
素晴らしい発表でした。ありがとうございました。看護師が栄養スクリーニングをされているとのことでしたが、どのような栄養評価ツールを使用していますか?看護師が行うことで評価が間違うことや体重が異なること(以前勤めていた病院ではありました…)あったのですが、看護師さんへの理解や協力はどのように行なっていますか?定期的に勉強会などを開いているのでしょうか?
発表者からの回答
栄養評価ツールはGLIM基準を使用しています。
当院は初回スクリーニングシートのみ看護部へ依頼している為、作成についてはご理解をいただけております。勉強会等は特に開催しておりません。看護師が行ったスクリーニングで気になる点があれば、電話や病棟にあがった際に記入者へ確認しています。
B1-1「複数施設委託厨房における業務統合 ~統一可能領域の可視化と運営合理化へのアプローチ~」アイフーズ 宮岡燎馬 様への質問
一食あたりの金額が安すぎではないか。内訳が知りたいです。
また、人件費削減といっても実質的な費用の削減にはなっていないと思いますが、その点どのような考え方をお持ちですか。
発表者からの回答
1ヶ月の院外パックの総額÷1ヵ月の総食数(刻み以下含む)で算出しているため1食あたりが安くなっています。その他精白米や小鉢等は含まれておりません。本来であれば院外パックを喫食している食数のみで計算すべきでしたが至りませんでした。
金額に関して発注時間が短縮したことにより他の業務に手が回り省力化や労務コストを削減したことを目に見える形で金額を出した形となっております。発注短縮により確保したリソースを他業務の効率化に再投資することができ人件費削減以上の効果が得られたと私は思います。
B1-2「限界突破!病院と栄養士のこれから ~栄養士の遣り甲斐の模索と再加熱カートを使用する新松戸の今~」新松戸中央総合病院 伊藤陸 様への質問
厨房業務時間の内訳で常勤 非常勤の内訳に変化がかなりありましたが、こちらは常勤非常勤の総人数は変わらず、作業内容だけ変化して作業時間の変更が可能になったのでしょうか?
発表者からの回答
① 主旨としてパート化に重きを置いているためパート採用にも尽力し、非常勤人数が前年度の2倍(8名→16名)に増加していますので、非常勤の総労働時間数と人数共に増加して、常勤の業務時間を減らしています。
よって、考え方としては、厨房に割く常勤職員の割合を増やせば【常勤非常勤の総人数は変わらず、作業内容だけ変化して作業時間の短縮も可能】と考えます。
全職種対象で希望休取得数8日はとても理想的だと思いました。希望の被りがでた際の対応と全職種とのことですので、絶対必要な職種の最低人数等の決まり等はあるのでしょうか?
発表者からの回答
②希望休の被りがでた際の対応としましては、
1.前提として被りが多数でてしまいシフト作成が儘ならない際は希望休を入力したスタッフ同士で話し合うという決まりを設けています。(話し合いでも対応できない場合、やむを得ず希望休8日制度は廃止になることが周知・認識されているので、現状としては平和的解決が出来ています。)
2.年末年始やお盆など、希望休を取得したいスタッフが増えると予想される際は、MTGで希望休の制限について話し合いを行い、
①人員を最低限にして、通し勤務にし、多くの人が休みを取れるようにする。
②年末年始やお盆には通し勤務を減らす分、出勤人数を増やす。等、
皆で話し合って、納得感を得てシフト調整の対応をしています。
B2-2「筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対し、多職種介入により本人や家族の意向に沿った栄養管理が出来た一症例」横浜旭中央総合病院 泉田侑亮 様への質問
泉田さんが病棟におけるスタッフとのコミュニケーションや関わりで意識しているものはありますか?
発表者からの回答
多職種での関わりのため分かりやすく専門的な用語は使わないようにすることと、多職種に提案する時には栄養士の判断だけでは一方的に言わず、相手の考えや多職種の見え方・専門的な考え方を聞いた上で自分がどうしてほしいか伝えるようにしています。
A会場シンポジウム 最上谷 拓磨先生 への質問
リハの立場から、患者の喫食率、また喫食率の持続性からおすすめのOEM製品はありますでしょうか。
発表者からの回答
栄養サポートが必要な方は一度に多くの食物を摂取できないことが多いです。そのためリキャップ可能タイプの製品がおすすめです。またリハビリテーションによる身体機能改善を求める上でタンパク質が多いものを導入することが多いです。嚥下が問題なければアイソカルクリア、嚥下に問題があればその障害度に応じてカロリーメイトゼリーやアイソカルとろっとゼリーなどが使いやすいと感じています。
先生の病院の回復期病棟では、どの職種がどれくらいの頻度で体重測定をしていますか?
発表者からの回答
回復期では看護師主導でヘルパーさんやリハスタッフも支援しながら、その方の必要度(低栄養や体液過剰の有無)に応じて月に1-4回測定しています。
体組成計を活用されていれば、こちらも関係職種と測定頻度を教えていただきたいです。
発表者からの回答
体組成は入院時に全例で管理栄養士さんが測定し、栄養サポートが必要な方は必要度に応じて測定し、モニタリングに使用ています(InBody-S10)。リハ室には立位モデルのInBodyがあるためリハビリテーションの評価と効果判定に使用しています。測定結果は電子カルテ内にスキャンをして共有しています。
栄養が十分に確保できていない状態で活動量が増えると、消費エネルギーが上回り体重減少につながると思います。栄養量の確保については多職種で相談を続けていますが、栄養不足がみられる際には、リハビリの負荷量や訓練内容を調整することはありますか?
発表者からの回答
十分な栄養が摂取できない方は、疲労感や意欲低下により高強度トレーニングはほとんど行えません。よってADL練習や軽強度トレーニングが主体となります。その場合のエネルギー消費量は数十キロカロリーと推測されるため制限することはありません。ただし著しい飢餓により、呼吸・循環が活動に応答できない場合は、栄養状態の回復を待ってからリハビリテーションの実施に移行する場合もあります。
A会場 特別演題2「ATP拭き取り検査に対する取り組みとその成果 安全な食事提供の為の厨房設備と調理器具の衛生管理」イムス三芳総合病院 田中美羽 様への質問
施設からよく聞かれる声として、掃除してねとこちらから声をかけても掃除している時間がない、、、と言われてしまうことがあると思うのですが、この取り組みの中でもし同じ経験がございましたらどのように策を考えたか教えて欲しいです。
発表者からの回答
当院では掃除をしている時間はない等の意見が挙がることはない状況です。
そのような意見が挙がらないようにしている訳ではないですが、衛生面で取り組んでいることとして以下のことをしております。
・調理台や盛り付け台は配膳確認後から昼礼までの時間(当院では5分間清掃と呼んでいます)に日替わりで掃除する台を決めて、洗剤や専用スポンジを用いて掃除しています。
・厨房内の床清掃は12:00~13:00台の時間でパート職員にモップ掛けを毎日してもらっています。
・盛り付けの際に盛り付け台には極力不必要なものは置かないようにしており、台が汚れた際にはすぐに拭き取りができるようにしています。
・盛り付けの際は掃除が必要となることが少なくなるように導線の教育段階で教えるようにしています。
(例:院外パックが入っているバットはトレーの上に置く。ごみはボウルにまとめて置く。など基本的なことを遵守するようにしています。)
・今回の演題発表の内容では取手清掃も時間を決めて行うようにしています。
その他ご不明点がございましたら、いつでも当院までご連絡いただけますと幸いです。
